スギ・ハウスダストの[特異的免疫療法(アレルゲン免疫療法)]について
アレルギー性鼻炎・花粉症の治療
アレルギー性鼻炎とは、鼻粘膜をアレルギー反応の場所として、くしゃみ・鼻汁・鼻づまりを三大症状とする疾患のことをアレルギー性鼻炎と言い、通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に大別されます。
アレルギー性鼻炎の治療には、次のようなものがあります。
1.抗原の回避
2.薬物療法
(鼻アレルギー診療ガイドラインによる指針が示されています。あくまでも対症療法です。)
3.手術療法
4.アレルゲン免疫療法
この中で、根本的治療法といえるのは、アレルゲン免疫療法です。岡山県西部で、このアレルゲン免疫療法を実施している数少ない医療機関の一つが、当院です。
当院における、特異的免疫療法(アレルゲン免疫療法)について
治療のながれ
特異的免疫療法(アレルゲン免疫療法)とは、アレルギーの原因となっている物質(アレルゲン)の皮下注射を繰り返し行うことにより、根本的な体質改善を期待する方法です。
血液検査や皮内テストで、アレルゲンを確かめます。その上で、アレルゲンエキス(製剤)の注射をごく少量から開始し、少しずつ量を増やしてアレルギーが起きないように体を慣らしていく治療法です。
現在、アレルギー性鼻炎に対しては、唯一の自然経過改善を期待できる治療法とされています。
有効性について
治療効果はスギ花粉でも70%前後の有効性が認められており、治療終了後4~5年経過した時点での追跡調査で、80~90%の効果が認められています。
また、半数以上の方々は内服薬を減量、あるいは内服薬を必要とせずとも、生活には支障が見られなくなります。
内服薬はあくまで一時的に症状を抑えるだけで、根本的な治療ではありません。健康保険適応なので、長期にわたってお薬を飲み続けるより、はるかに経済的でもあります。
安全性について
副作用としては、注射部位の腫れが最も多く、その他全身の発赤、ショック症状や喘鳴などがごく稀に起こることがあります。ただし、これらの副作用は必ず注射後15分以内に起こるため、病院での適切な処置により、すべて回復するものです。
治療中ごく少量とはいえ、アレルギーの原因となるエキスを注射するので、注射部位が赤くなったり痒みが出てきたりしますが、入浴や食事などの日常生活は普段どおり行うことが出来ます。しかし、スポーツなど激しい身体運動は控えるようにしていただきます。
※なお、詳しい内容につきましては、お手数ですが当院までお尋ねください。